書評情報 ─ 『ニコ・ピロスマニ 1862-1918』 |
朝日新聞(2008年11月1日)に、ピロスマニと「百万本のバラ」に関する記事が掲載されました。
【うたの旅人】加藤登紀子「百万本のバラ」



【貧しい画家のかなわぬ恋】
「貧しい絵かきが女優に恋をした」。あなたも、一度くらいはカラオケで歌ったことがあるかもしれない。加藤登紀子さんが1986年に出したヒット曲「百万本のバラ」に出てくる女優が、このマルガリータだ。
絵かきとは、くっきりとした輪郭と単純な色彩でグルジアの風物を詩情ゆたかに描いた放浪の画家ニコ・ピロスマニ(1862-1918)である。(一部抜粋)
【圧政への抵抗と自由への渇望と】
この夏、ロシアとグルジアは激しく戦火を交わした。だがその後も、むしろ、両国民の心のきずなを象徴する存在として、この曲は生き続けるのではないか。(一部抜粋)
【見る】
ピロスマニの画集『ニコ・ピロスマニ1862-1918』が今年3月に文遊社から出た。(一部抜粋)
「イラストレーション」(2008年11月号)に書評が掲載されました。
特集「画家 大竹伸朗が選んだ創作を刺激する本50」

ピロスマニの絵の魅力を言葉に置き換えるのは難しい。「素朴な」と形容されがちだが、そう言ってしまうと途端に絵の本質を見失ってしまうような危うさを感じる。
以前アフガニスタンの長距離トラックの装飾用に描かれた絵を見たことがあるが、スッと目の前を通り過ぎるその絵にピロスマニのテイストを、なぜか感じた。見当違いに思えるかもしれないが、彼の作品にはどこか「速度」が関係している気がする。(大竹伸朗氏)
- 信濃毎日新聞(2008年8月6日)に書評が掲載されました。

東京・渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで[…]開催中の「ロシア・アヴァンギャルド」展には、ピロスマニの油絵10点[…]が並ぶ。[…]ピロスマニの絵はひときわ静かで穏やかだ。決して新しい表現を追求したわけではないのに、誰にもまねできない世界を彼はつくり出した。
今春刊行された画集『ニコ・ピロスマニ 1862-1918』(文遊社)は、映画監督の小栗康平さん、ミュージシャンのあがた森魚さん、ドイツ文学者の池内紀さんら15人がピロスマニを語った文章を収めた。(一部抜粋)
- 読売新聞(2008年6月29日)に書評が掲載されました。

厚紙や防水布に描いた絵は、見かけほど単純ではない。教会の装飾画、民衆版画、商店の看板など、グルジアの習俗に根ざした文化の重みを宿している。
旅芸人の踊り子に恋し、ありったけの花を贈った逸話は名曲「百万本のバラ」に歌われた。しかし生涯はつまびらかでない。日本では1986年に西武美術館(当時)で回顧展が開かれたのを思い出すが、画集刊行は今回が初めてという。(一部抜粋)
毎日新聞(2008年4月27日)に書評が掲載されました。

なぜ画集がこれまで出なかったのか、不思議になるほど懐かしい世界がここにはある。(一部抜粋)
- 東京新聞・中日新聞(2008年3月30日)に書評が掲載されました。

放浪した町々の居酒屋の看板や壁に、グルジアの風土に根ざした人間や動物や風景を描いてわずかな報酬を得た。プリミティブアートとして近年人気も高い。素朴な魅力に、山口昌男やあがた森魚らがオマージュをささげる。(一部抜粋)