書評情報 ─バリ、夢の景色ーヴァルター・シュピース伝 |
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雑誌 GQ JAPAN 2005年7月号
「特集・いま、社長たちが読んでいる186冊の本」に福原義春さんによる『バリ、夢の景色』の書評が掲載されました。
バリ文化に多大な影響を与えた画家であり、写真家であり、楽劇にも精通した偉大な文化プロデューサー、w・シュピースの伝記。
- 雑誌「Seven Seas(セブンシーズ)」2005年5月号に、バリ島とシュピースの特集が掲載されました。
『バリ、夢の景色』の著者=坂野徳隆さんの構成・文による50ページ特大企画です。
特集:バリ島、熱帯夢想画境 伝説の芸術家、シュピースの宇宙
(シュピースが愛したチャンプアンの原風景/バリ絵画の夜明け/ドクトル・シュピースを探して/シュピースの夢が息づく、ウブドの最新ホテル……など)
- 文藝春秋2005年2月号に、斎藤環さんによる『バリ、夢の景色』の書評が掲載されました。
●連載 今月買った本 36
(……)美術書の棚でひときわ美しい装幀の本に出会った。(……)
本書は装幀のみならず、ちょっとした画集なみに数多くの美しい図版が収録されている。(……)
南方に「夢の景色」を見出した点で、ゴーギャンや田中一村を思わせる(……)
- 芸術新潮2005年3月号に、津野海太郎さんによる『バリ、夢の景色』の書評が掲載されました。
六十年後の消息
(……)日本で最初の本格的なシュピース伝がようやく出現する。それが本書である。
(……)五〇〇ページちかい大冊だし、シュピースの描いた絵も、現存するもののほとんどすべてがカラーとモノクロ図版ではいっている。(……)
この本を書くにあたって、著者はシュピースの「秘められた実像」にせまるべく現地での「取材」を重視したという。なるほど、かつてシュピースに師事したバリの画家や踊り手の談話をはじめとして、「取材」の成果は
随所にあらわれている。
- 北海道新聞2月20日(日)朝刊の読書欄に、永渕康之さんによる『バリ、夢の景色』の書評が掲載されました。
悲劇の運命背負う画家
「バリ絵画に革新をもたらした画家ヴァルター・シュピースの生誕から悲劇的な死までをたどる浩瀚な伝記である。
絵画のみならず音楽、映画に生きた彼の人生は、戦間期の芸術動向を知る貴重な情報にあふれている。
著者が自負するように本書は世界最初のシュピースの評伝であり、急展開する世界情勢の中にあった彼の内的な軌跡が書簡とインタビューをもとに丹念に描き出されている。
(……)支配する者とされる者に世界が厳しく分断された時代に、芸術はもとより愛と情熱と快楽を大切にしながら、人種主義や因襲とは最も遠く離れて分け隔てなく人間と接し、バリ人にも慕われた孤独なコスモポリタンの姿が心を打つ。」
- ダカーポ2005年3月2日号に『バリ、夢の景色』の書評が掲載されました。

その生涯が資料の精緻な博捜と、現地調査を合わせてみごとに描きあげられている。
- サライ2005年2月17日号に、佐久間正さんによる『バリ、夢の景色』の書評が 掲載されました。
バリ島の幻想的風景を表現した画家の生涯
1930年代にインドネシアのバリ島に滞在し、絵画のみな
らず舞踏、写真などに足跡を残した画家、ヴァルター・シュピース。彼の生涯を振り返る、400ページを超える
本格的研究である。
- 美術手帖2005年2月号に、椹木野衣さんによる『バリ、夢の景色』の書評が掲載されました。
「美術史=近代」に回収しえない可能性
「(……)本書は、そのシュピースについての世界初の本格的な評伝である。(……)今回初めて詳しく知ったことも多い。著者は可能なかぎり主観的判断が入るのを避けて、文献と実地にわたる綿密な調査にもとづいて、淡々とこの本を書いている。
(……)やはり彼は、ヨーロッパに対しどこまでいっても保守的でしかありえない「美術史」には、どうしようもなく回収不可能な存在であり、本書でもたびたび触れられているように、欧米の美術の「本流」は、シュピースの残した功績に対しては一貫して冷たい。
しかし、実はこの「冷遇」にこそ、シュピースのほんとうの可能性はあるのだ。(……)」
- 毎日新聞1月9日(日)朝刊の読書欄に、川本三郎さんによる『バリ、夢の景色』の書評が
掲載されました。
国境を越えて生きたいと願いながら
「素晴しい力作評伝。こんな数奇な運命をたどった画家が二十世紀にいたとは知らなかった。
……よく調べ、よく実地を歩いて書き上げた大労作である。実に面白い。」
- 東京新聞、中日新聞1月9日(日)朝刊の読書欄に、永渕康之さんによる『バリ、夢の景色』の
書評が掲載されました。
心打つ孤独な画家の生涯
「バリ絵画に革新をもたらした画家ヴァルター・シュピースの生誕から悲劇的な死までをたどる浩瀚な伝記である。
絵画のみならず音楽、映画に生きた彼の人生は、戦間期の芸術動向を知る貴重な情報にあふれている。
著者が自負するように本書は世界最初のシュピースの評伝であり、急展開する世界情勢の中にあった彼の内的な軌跡が書簡とインタビューをもとに丹念に描き出されている。(……)
支配する者とされる者に世界が厳しく分断された時代に、芸術はもとより愛と情熱と快楽を大切にしながら、人種主義や因襲とは最も遠く離れて分け隔てなく人間と接し、バリ人にも慕われた孤独なコスモポリタンの姿が心を打つ。」
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