書評情報 ─いつまでも、鰐

絵本も図鑑も大人用は深い味わい

『愉快な鰐がまたもどってきた。
 ……ながらく幻の本だった。
……この度の三度目[の翻訳]には、楽しい工夫がこらしてある。作者自身が構成した本のつくりを取り入れた。
かつての無声映画には、映像のあいだに短い字幕がはさまっていたが、まずはそんなかたちで白黒のあざやかな画面がたのしめる。残像をのこしながら、つづく物語に入っていく。
 ……鰐は……波瀾万丈、たしかに、いつまでも鰐であって、……悠々と生きつづける。フランス文士のユーモアは、どこまでも底が深いのだ。』

p101 一部抜粋

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