海辺のヴァカンスにおける無為と倦怠を、ひとりの美青年の登場が、 不安とおののきに変貌させる
― 彼は、一体何者なのか?
謎に満ちた構成による、緊張感溢れる傑作!
デザイン 黒洲零
(2015年4月30日発売)
ジュリアン・グラック
1910年仏西部のサン=フローラン=ル=ヴィエイユ生まれ。ナントの高校で教鞭を取りながら執筆活動をおこない、1938年、 『アルゴールの城にて』で作家デビュー。アンドレ・ブルトンに賞賛される。第二次世界大戦で動員されるが、捕虜となり解放 される。1951年、『シルトの岸辺』を発表、ゴングール賞受賞作に選ばれるが、受賞を拒否。著作に『森のバルコニー』(1958) 『半島』(1970)など。2007年、老衰のため死去 。
翻訳 小佐井伸二
1933年生まれ。作家、フランス文学者。京都大学文学部フランス文学科卒。青山学院大学名誉教授。1962年、「雪の上の足跡」で芥川賞候補。訳書にジョルジュ・シムノン『重罪裁判所のメグレ』(河出書房新社)、モニック・ウィティッグ『女ゲリラたち』(白水社)など。