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セルロイド・ロマンティシズム
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書名

セルロイド・ロマンティシズム

著者
由良君美=著
定価
2,524円+税
判型・造本
A5変形判、254頁
ISBN
978-4-89257-015-5

ドイツ表現派、シュミット、寺山修司らの作品を記号学など広汎な知識で読み解く、分析的映画批評。
解説/四方田犬彦

セルロイド・ロマンティシズム 目次

1 映画の修辞学――7
表現主義と危機の時代――9
脱=不条理の時空連続体――
『キャッチ22』が提出したヴィジョンは何か――34
ボランスキーの終わりなき悪夢――
最新作『マクベス』における意味論的遊戯空間の多義性――50
牧歌ぬきのイニシエーション――
『トム・ソーヤの冒険』と『戦争と冒険』に見る二つの世紀――67

2 ダニエル・シュミット――メタ・シネマあるいは腐爛の美学――83
ダニエル・シュミット讃歌――In praise of Daniel SCHMID――85
Necrophagia考――88
完璧な愛が欲しい? なら『ラ・パロマ』を観ようよ――95
男女の愛の空間における支配と被支配――『ヴィオランタ』――98
神話と現実を二重に映して――『ヘカテ』――102

3 ロバート・アルトマン――神話と通過儀礼――105
疑似イカルスの青空失墜――
『バード・シット』から『鼠小僧次郎吉』まで――107
飛行の夢、落下の夢――ヨナ=イカルス――128
アルトマンの『三人の女』にはアメリカ映画の円熟がある……――131

4 寺山修司とブニュエル――時空遊行のトリック――135
幻想とリアリティーの対極――137
『銀河』と『さらば箱舟』――140
聖処女/聖娼婦――『欲望のあいまいな対象』――143

5 淪落の映画日記――147
贋作風景――オーソン・ウェルズ『フェイク』――149
“ただのジゴロさ”――デビッド・ヘミングス『ジャスト・ア・ジゴロ』――152
美しい映像倫理のシークエンス――大島渚『戦場のメリークリスマス』T――154
腕力と音楽は認めるが――大島渚『戦場のメリークリスマス』U――157
愛の難局とその登攀――F・ジンネマン『氷壁の女』――161
事実の迫力に打たれつづけるとき――小林正樹『東京裁判』――165
戦後西独映画の栄光――ファスピンダー『べロニカ・フォスのあこがれ』――169
その〈太母〉の眼差し――アリアーヌ・ムニューシュキン『モリエール』――172
人類的救済への足がかり――リリアーナ・カヴァーニ『ミラレパ』――176
宿命の対決――アンジェイ・ワイダ『ダントン』――180
死に至る病――アンドレイ・タルコフスキー『ノスタルジア』――183
遺作とメタ・シネマ――『サン・スーシの女』『エレンディラ』――186
『パッション・ダモーレ』『ドイツ・青ざめた母』――189
息をのむ映像美――『王者のためのアリア』――192
〈現日本人〉のひと皮むき − 『お葬式』――195
苦悩する現代トルコの日常にある――人それぞれの《路》――198
ベルイマンの〈自称・映画とのフィナーレ〉作品
――『ファニーとアレクサンデル』――202
遠くに行きたい――ヴィム・ヴェンダース『パリ、テキサス』――205
熟成・色彩・音楽――『田舎の日曜日』――208
『エル・スール』と『そして船は行く』――211
新しい人間の紐帯を求めて――ヴィスコンティ『家族の肖像』――214

6 映画の〈語り〉・小説の〈語り〉――219
視覚的と言葉的と――221
図像学者の映画論――225
ノエル・バーチの『`30年代日本映画』論――229
同人誌『映画批評』のことども――233
映画の〈語り〉・小説の〈語り〉――236
続・映画の〈語り〉――239
映画批評家としての由良君美…四方田犬彦――243
初出一覧――249
索引――254

書評一覧

日本経済新聞
◆『東京新聞』(1995/6/25)
日本経済新聞
◆『読書人』(1995/6/9)
日本経済新聞
◆『Image Forum』(1995/6月号)