夜は夜の魔法を携えている――昼間の美しさよりも難解な美を
輝く金髪、雪花石膏(アラバスター)のような肌、うつろな眼差し――
やがて作家となった孤独な少女の半生。
カヴァン(改名後)長編第一作、本邦初訳。
Anna Kavan Collection
書容設計 羽良多平吉
(2016年8月1日発売)
アンナ・カヴァン(Anna Kavan 1901-1968)
1901年、フランス在住の裕福なイギリス人の両親のもとにヘレン・エミリー・ウッズとして生まれる。1920年代から30年代にかけて、最初の結婚の際の姓名であるヘレン・ファーガソン名義で小説を発表する。幼い頃から不安定な精神状態にあり、結婚生活が破綻した頃からヘロインを常用する。精神病院に入院していた頃の体験を元にした作品集『アサイラム・ピース』(40) からアンナ・カヴァンと改名する。終末的な傑作長篇『氷』(67)を発表した翌年の1968年、死去。
翻訳 細美遙子
1960 年、高知県高知市生まれ。高知大学文学部人文学科卒業、専攻は心理学。訳書 にジャネット・イヴァノヴィッチのステファニー・プラムシリーズ (扶桑社、集英社)、 マーセデス・ラッキー「黒い鷲獅子」(東京創元社)など。