破壊を糧に蔓延る、 無数の草の刃
氷の嵐、炎に縁取られた塔、雲の海に浮かぶ<高楼都市(ハイシティ)>――
中期傑作短篇集、本邦初訳
Anna Kavan Collection
書容設計 羽良多平吉
(2020年1月下旬発売)
アンナ・カヴァン(Anna Kavan 1901-1968)
1901年、フランス在住の裕福なイギリス人の両親のもとにヘレン・エミリー・ウッズとして生まれる。1920年代から30年代にかけて、最初の結婚の際の姓名であるヘレン・ファーガソン名義で小説を発表する。幼い頃から不安定な精神状態にあり、結婚生活が破綻した頃からヘロインを常用する。精神病院に入院していた頃の体験を元にした作品集『アサイラム・ピース』(40) からアンナ・カヴァンと改名する。終末的な傑作長篇『氷』(67)を発表した翌年の1968年、死去。
翻訳 安野玲
1963年生まれ。お茶の水女子大学卒業。訳書にジーン・ウルフ『ナイト』『ウィザード』(以上、国書刊行会)、スティーヴン・キング『死の舞踏』(筑摩書房)、フィリップ・リーヴ《移動都市クロニクル》全4巻(東京創元社)、ジョー・ヒル『怪奇日和』(共訳、ハーパーコリンズ)などがある。