「奪い返すんだ、おまえが知らず知らずのうちに奪われてきたものを」
待望の最新短篇集。
「怒りを持って書いているというスタンスに共鳴します。 しかし、彼のほうがより内省的……言い換えれば、日本文学界のジョイ・ディヴィジョンだ」中原昌也
「これらの小説はぼくの風景に色と匂いをつけてくれる。最高だ」曽我部恵一
<目次>
夜はサンクチュアリ
しらふで生きる方法
2011年3月のわたしたち夫婦は
恋をしようよ
新しい家族のかたち
長い夜
ドロー
誰にだって言いぶんはある
転轍機
My Wife and Me in March 2011 (Translated by Chikako Kobayashi)
オビ解説文 矢野利裕
装幀 堀川達也
カバー写真 星野有樹
(2015年12月3日発売)
桜井鈴茂
1968年北海道生まれ。札幌市近郊の田園地帯で育つ。大学進学にともない首都圏へ。98から00年にかけては京都市に在住。バンドマン、バイク便ライダー、カフェの店員、郵便配達員、祇園のスナックのボーイ、小料理屋店長、ベンチャービジネス専攻の大学院生、水道検針員など、さまざまな履歴を経たのち、2002年に『アレルヤ』(現在は双葉文庫)で第13回朝日新人文学賞を受賞。著書に『終わりまであとどれくらいだろう』(双葉文庫)、『女たち』(フォイル)、『冬の旅』(河出書房新社)、『どうしてこんなところに』(双葉社)。