「これからある女性の生涯でただ一度の恋の物語をしようと思う」
人生に倦み疲れた四十代半ばの女性を不意打ちした遅ればせの恋の行方を綴った表題作ほか、コレット晩年の傑作短篇を四篇収録。
エッセイ 白石かずこ
デザイン 黒洲零
(2015年3月26日発売)
シドニー=ガブリエル・コレット
1873 年、ブルゴーニュ地方サン = ソヴール = アン = ピュイゼー生まれ。20 歳で小説家ウィリーと結婚、パリに移る。 ウィリーの勧めで小説『学校のクローディーヌ』(1900)を執筆、好評を博す。離婚後、自活のためにパントマイム役者や ミュージック・ホールの踊り子として舞台に立ち、活躍。精力的に執筆をおこない、『シェリ』(1920)『青い麦』(1923 )『牝猫』(1933)などの傑作を発表する。1954 年没 。
翻訳 弓削三男
1922年生まれ。九州大学文学部仏文科卒業。ストラスブール大学、パリ大学留学。早稲田大学名誉教授。訳書にジャン・ケロール『異物』『真昼 真夜中』(白水社)「他人の愛を生きん」(主婦の友社、『キリスト教文学の世界 5』所収)、ジャン・ペロル詩集『遠い国から』(思潮社)、『物の時代 小さなバイク』(弊社刊)など。