パリ、1960年代−−。物への欲望に取り憑かれた若いカップルの幸福への憧憬と失望を描いた長篇第一作『物の時代』。奇才ジョルジュ・ペレックによる最初の長篇である本作は、ルノドー賞を受賞した。1966年に発表した、徴兵拒否をファルスとして描いた第二作『営庭の奥にあるクロムメッキのハンドルの小さなバイクって何?』を併録。
書容設計 羽良多平吉
(2013年4月27日発売)
ジョルジュ・ペレック(Georges Perec 1936-1982)
1936年、パリ生まれのユダヤ系フランス人作家。フランス国立科学研究センターに勤務しながら、1965年、最初の長篇『物の時代』を発表し、ルノドー賞を受賞する。レーモン・クノーらによる実験文学グループ「ウリポ」に参加。大胆で実験的な作品を生涯にわたって次々に発表し、1978年、『人生使用法』でメディシス賞を受賞。 1982年、死去。
翻訳 弓削三男
1922年生まれ。九州大学文学部仏文科卒業。ストラスブール大学、パリ大学留学。早稲田大学名誉教授。訳書にジャン・ケロール『異物』『真昼 真夜中』(白水社)「他人の愛を生きん」(主婦の友社、『キリスト教文学の世界 5』所収)、ジャン・ペロル詩集『遠い国から』(思潮社)、コレット「軍帽」(二見書房、『コレット著作集 12』所収)など。