書籍詳細

プニン
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書名

プニン

著者
ウラジーミル・ナボコフ=著 大橋吉之輔=訳
定価
2,800円+税
判型・造本
四六判、並製、328頁
ISBN
978-4-89257-074-2

亡命ロシア人プニン教授のアメリカでの生活を、ユーモア溢れる軽妙なタッチで、ときにアイロニカルな悲哀をおりまぜ描いた長編小説。

 

1953年から1955年にかけて『New Yorker』に掲載されたプニン教授を主人公にした小説をまとめ、書き下ろしの章を加えて1957年に刊行された。

 

書容設計 羽良多平吉

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読むたびに内容が変わるこの本を、読み終えることはできるのだろうか。

 

プニン的なるものの力を、わたしたちはつい見逃す。はっきりと指さすことはできず、注視すると消えてしまう。書けないはずのものを明瞭に描くナボコフは、だからたしかに魔術師なのだ。もしかしてこの小説の本文は、プニンというひとつの単語なのかも知れない。                  円城塔

 

著者詳細

ウラジーミル・ナボコフ(1899-1977)

1899年、サンクト・ペテルブルクの貴族の家に生まれる。ロシア革命後、一家で祖国を離れねばならなくなり、1919年、ロンドンに辿り着いた。ケンブリッジ大学で学んだのち、ベルリンで本格的な作家活動を開始するが、ナチス・ドイツから逃れるため1940年、妻子をともなってアメリカに移住。1955年『ロリータ』を発刊。精緻な仕掛けに満ちた小説を書く、多言語の亡命作家として知られるようになる。晩年はスイスのモントルーで暮らす。1977年没。

 

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