物心ついたときから自分だけを愛してきた冷たく美しい女性・リジャイナ―
彼女と孤独な娘、夫、恋人たちの波乱に満ちたドラマを描ききった、渾身の長篇。
訳者・大谷真理子氏による改訳新版。
書容設計 羽良多平吉
(2013年10月30日発売)
アンナ・カヴァン(Anna Kavan 1901-1968)
1901年、フランス在住の裕福なイギリス人の両親のもとにヘレン・エミリー・ウッズとして生まれる。1920年代から30年代にかけて、最初の結婚の際の姓名であるヘレン・ファーガソン名義で小説を発表する。幼い頃から不安定な精神状態にあり、結婚生活が破綻した頃からヘロインを常用する。精神病院に入院していた頃の体験を元にした作品集『アサイラム・ピース』(40) からアンナ・カヴァンと改名する。終末的な傑作長篇『氷』(67)を発表した翌年の1968年、死去。
翻訳 大谷真理子
1948年、東京都新宿区生まれ。明治学院大学文学部英文科中退、日本翻訳専門学院研究科修了。訳書に、マーガレット・ドラブル『黄金の王国』(共訳、サンリオ)、キャサリーン・ウッディウィス『風に舞う灰』(サンリオ)など。