'20年代のテキサスの西端は、 タフな世界だった――
パイプライン工事に流れ込む 放浪者、浮浪者、そして前科者……
トンプスン、待望の本邦初訳!
解説 滝本誠
プロレタリアン、トンプスンを今こそ――
ノワールの極点というトンプスン小説の性格を誕生させた、そもそもの原点はどこに求めればいいのか? ……ホーボー(渡り労働者)として、21歳のトンプスンが体験した、もっとも過酷な労働の現場に赴いて、その過酷を追体験せよ。 ……『天国の南』は〈過去〉の過酷ではない。まさに〈現在〉の過酷なのだ、わが国同様に。われわれを取り巻く状況はまさに〈天国の南〉に他ならない。(滝本誠 本書解説)
装幀 黒洲零
(2017年8月1日発売)
*ジム・トンプスン、待望の翻訳刊行開始!
ジム・トンプスン(Jim Thompson 1906-1977)
1906年、アメリカ・オクラホマ州生まれ。油田労働者、ベルボーイ など、職業を転々とする。1942年、初の長篇を出版。1949年、初の 犯罪小説『取るに足りない殺人』を発表する。『おれの中の殺し屋』 (1952)など、ペイパーバック・オリジナルで作品を次々に発表する。 『現金に体を張れ』『突撃』(スタンリー・キューブリック監督作品) の脚本に参加。1977年没。
翻訳 小林宏明
1946年東京都生まれ。明治大学英米文学科卒。リー・チャイルド『ネバー・ゴー・バック』『キリング・フロアー』(講談社文庫)、ジェイムズ・エルロイ『LAコンフィデンシャル』(文春文庫)、ホレス・マッコイ『明日に別れの接吻を』(ハヤカワ・ミステリ文庫)ほか翻訳書多数。著書に『銃を読み解く23講』(東京創元社)、『小林宏明のGUN講座』(エクスナレッジ)、『図説 銃器用語事典』(早川書房)など。