水平線に沈む夕陽が最後に放つ、
翡翠のような光を探して、島から島へ―
ヴェルヌ、異色の恋物語『緑の光線』(中村三郎訳)に、幻の初期短編『メキシコの悲劇』(小高美保訳)を併録。
書容設計 羽良多平吉
Léon Benett、Jules-Descartes Fératによるオリジナル挿画50点を収録。
(2014年7月30日発売)
ジュール・ヴェルヌ(1828-1905)
1828年、フランス・ナントに生まれる。子供の頃から冒険小説や旅行記に親しむ。法律の勉強のためパリに下宿している頃、アレクサンドル・デュマ父子と出会い、劇作家を志す。1851年、「家庭博物館」誌に短篇「メキシコの悲劇」を発表し、小説の執筆に取り組む。1863年に刊行した冒険小説『気球に乗って五週間』が大評判となり流行作家となる。『海底二万里』『八十日間世界一周』『月世界へ行く』など科学冒険小説の傑作を生涯に渡って発表した。H・G=ウェルズに並ぶSFの始祖として知られ、その作品は多くの人に愛され、読み継がれている。1905年没。
[翻訳]
中村三郎 1929年、山梨県生まれ。早稲田大学文学部卒業。早稲田大学名誉教授。主な訳書に、アルベレス『サンテグジュペリ』(水声社)、ダニエルソン『タヒチのゴーギャン』(美術公論社)など。
小高美保 明治学院大学仏文学科卒業。アテネフランセにてディプローム取得。訳書にモーリス・ルブラン『白鳥の首のエディス』(岩崎書店)、『戯曲アルセーヌ・ルパン』(論創社)、ピエール・シニアック『リュジュ・アンフェルマンとラ・クロデュック』(論創社)など。