胸躍りまくる時代の証言! ...サルトル、ボーヴォワール、カミュ、メルロ=ポンティ、コクトー、ピカソ、クノー、プレヴェール、ツァラ、ブルトン、アルトー、ジュネ、グレコ、バディム、エリントン、マイルス...そしてヴィアン!
総勢500名にも及ぶ有名・無名の登場人物とともに、戦後のパリを彩ったサン=ジェルマン=デ=プレの狂躁の日々が甦る!!
パリとシネマと文学と、ジャズとハチャメチャ・ダンスと、(若い女の子と...)
その他モロモロを愛する人のための痛快タウン・ガイド!
ボリス・ヴィアン(Boris Vian)
1920年、パリ郊外に生まれる。
エンジニア、小説家、詩人、劇作家、翻訳家、作詞・作曲家、ジャズ・トランペッター、歌手、俳優、ジャズ評論家など、多くの分野で特異な才能を発揮した稀代のマルチ・アーチスト。
第二次大戦直後、パリの知的・文化的中心地として殷賑を極めたサン=ジェルマン=デ=プレの穴倉酒場でトランペットを吹き鳴らし、一躍時代の寵児となるも、1946年に発表した偽訳小説『墓に唾をかけろ』がスキャンダルを招き、以後、正当な作家としての評価を得られぬまま、1959年に39歳でこの世を去る。
死後数年してようやくその著作が再評価されはじめ、1960年代後半には若者たちの間で爆発的なヴィアン・ブームが起こる。
著書に『日々の泡』『北京の秋』『心臓拔き』などがある。
訳者紹介:
浜本正文(はまもと・まさふみ)
1941年、山口県生まれ。京都大学文学部仏文科卒業。愛知大学教授。
校訂者序文
序文
導入部
i. 地理的条件
ii. 住民
iii. 経済的発展
第一章 事実と神話
i. 伝説的な事実と伝説的な神話
序
伝説的な事実
伝説的な神話
ii. 本当の事実と神話
前史
古代
現代
第二章 詩華集と名士
第三章 街路
第四章 薬量学と用法
サン=ジェルマン=デ=プレ族の教理問答集
校訂者あとがき
訳者あとがき
人名索引
装苑2006年7月号「SO-EN Jam」にて、松浦弥太郎さんにより『サン=ジェルマン=デ=プレ入門』が紹介されました。
ぼくのいい本こういう本
長年探していたボリス・ヴィアンの『サン=ジェルマン=デ=プレ入門』を新刊で見つけて喜んだ。
’50年代のはじめ、ボリス・ヴィアンはサン=ジェルマン=デ=プレの必要な知識をすべて、この一冊にまとめた。最高級たる町の百科事典。これも「いい」本だ。
日本経済新聞2005年11月10日(木)夕刊書評欄コラム「目利きが選ぶ今週の3冊」で、批評家、陣野俊史さんによる『サン=ジェルマン=デ=プレ入門』の書評
が掲載されました。
評価は(★★★★★これを読まなくては損をする)です。
有名無名500人 軽妙に描く
パリのサン=ジェルマン=デ=プレ界隈の紹介本だが、戦後、サン=ジェルマン=デ=プレに集った有名無名五百名の人物を、軽妙な筆致で描きだした、愉しい本だ。
写真や図版もいっぱい。……そのきら星のような人物たちにやはり胸躍る。
サルトル、ボーヴォワール、カミュ、メルロ=ポンティがそこにいるのは当然としても、セロニアス・モンクやマイルス・デイヴィスも、ジャコメッティもそこにいて同じ空気を吸ったことには素直に感動してしまう。
……意外なくらい無名の人物への言及に面白い文章が多い。
……的確で軽妙な文章は、とにかく味わい深い。
いまのサン=ジェルマン=デ=プレとは違うけれど、この時代の喧噪は、いまもこの街のどこかに匂いのようにして残っている。(抜粋)
雑誌Gainer 2005年12月号のコラム、彼女の「ブックマーク」で、香里奈さんにより、『サン=ジェルマン=デ=プレ入門』が紹介されました。
サン=ジェルマン=デ=プレとはパリ左岸の地区名で、レ・ドゥー・マゴのようなサルトルらが集った文学カフェが建ち並ぶ(最近、仏で再注目されている)。
この地区を伝説的アーティスト、ボリス・ヴィアンが独特の視点でたどる。文化の 香り高い一冊。
週刊文春2005年10月20日号の文春図書館・新刊推薦文に『サン=ジェルマン=デ=プレ入門』が紹介されました。
サルトル、カミュからナポレオンマニアのフェーヴルまで、サン=ジェルマン=デ=プレの街角に生きた奇人たちの物語。映画、文学、ダンス……
パリの文化はこの街から生まれたのだ。
雑誌TV Bros(テレビブロス)2005年10月29日号のコラム、Cry Old-Baby Cryで、滝本誠さんにより、『サン=ジェルマン=デ=プレ入門』が紹介されました。
懐かしい、といえばボリス・ヴィアン『サン=ジェルマン=デ=プレ入門』だろう。
今は無き版元リブロポートから出ていた、フランスで一番楽しかったであろう第二次大戦後の文化集約地区のその中心だった人物(『墓に唾をかけろ』、『日々の泡』)のガイド本の貴重な改訳・再発である。
徹夜で飲めるカフェ=タブーを中心とした文化人人物素描(コクトー、サルトル他)がことのほか楽しい、なんせ書き手がヴィアンだから。
昔の本は古本屋へ流したが、今回また買ってしまった。
小生が喜んだのは、現在の興味から言えばもちろん? セリ・ノワール(暗黒叢書)の総元締めたる編集者・翻訳家(ジム・トンプスン他)マルセル・デュアメルの項である。
「際だったファッション・センスの良さ、熱烈なジャズ愛好家」。カッコイイ。