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書名

飢えと窮乏の日々

著者
ネール・ドフ=著 田中良知=訳
定価
3,600円+税
判型・造本
四六判、波製、608頁
ISBN
978-4-89257-114-5

「プロレタリア文学の巨星による哀切な自伝小説三部作!

書くことで、虐げられた者の一人称『あたし』の尊厳と輝きが、甦る。

娼婦が作家になったことだけが『事件』なのではない」工藤庸子(フランス文学)

 

窮乏のなかで、 少女は生き抜いた――

オランダ出身の女性フランス語作家が描く、驚愕の自伝的小説。

ゴンクール賞候補となった表題作を含め、一世紀を経て、三部作すべてがついに本邦初訳!

 

『飢えと窮乏の日々』によせて、工藤庸子氏にご寄稿をいただきました。

 

デザイン 黒洲零

 

(2015年10月末発売)

著者詳細

ネール・ドフ(Neel Doff 1858-1942)

オランダ出身の女性フランス語作家。アムステルダムで少女時代、類を見ない極貧生活を送り、12歳ごろから働きはじめる。追い詰められた時には娼婦にまでなった。50代に自伝的三部作、『飢えと窮乏の日々』(1911年)、『ケーチェ』(1919年)、『使い走りのケーチェ』(1921年)を著した。すべて彼女の体験に基づく凄まじいレアリスムの作品だが、筆致は淡々としている。この《飢えのシンフォニー》は貧困という不正義を謙虚に告発している。

 

翻訳 田中良知

1947年、盛岡市生まれ。東京都立大学大学院修士課程修了。19・20世紀フランス文学専攻。訳書に、アルベール・コスリー『老教授ゴハルの犯罪』(水声社、2008年)、パナイト・イストラティ『キラ キラリナ』『アンゲル叔父』『コディン』(未知谷、2009−10年)、シャルル=フェルディナン・ラミュ『山の大いなる怒り』(彩流社、2014年)など。

 

書評一覧

日本経済新聞夕刊(11/26)(評者:陣野俊史氏)、『ダ・ヴィンチ』2月号「七人のブックウォッチャー」(評者:西田藍氏)で書評掲載されました。読売新聞「読書委員が選ぶ『2015年の3冊』」に選出されました。(選者:本谷有希子氏)