容疑者は十五歳の少年
ありきたりの日常に潜む狂気、
スキャンダラスな報道と捜査の行方は―
本邦初訳
解説 吉田広明
細部と全体、卑小さと壮大さの振れ幅。……その歪んだ建築を見続けている間に、我々の認識自体が狂ってくる。いや、もしかしたら正される、と言った方がいいのかもしれない。狂っているのは世界の方であり、トンプスンは世界が狂っていることを、正しく描写しているだけなのかもしれないのだ。(吉田広明 本書解説)
装幀 黒洲零
(2018年8月1日発売)
*好評既刊*
ジム・トンプスン=著 小林宏明=訳
'20年代のテキサスの西端は、 タフな世界だった―― パイプライン工事に流れ込む 放浪者、浮浪者、そして前科者……
解説 滝本誠
ジム・トンプスン=著 高山真由美=訳
アルコール専門療養所の長い一日
”酒浸り(ウェット)”な患者と危険なナース
マーフィーの治療のゆくえは――
解説 霜月蒼
ジム・トンプスン=著 田村義進=訳
悪意渦巻く海辺の町ーー
トンプスン・ノワール、
鮮烈な傑作
解説 中条省平
ジム・トンプスン(Jim Thompson 1906-1977)
1906年、アメリカ・オクラホマ州生まれ。油田労働者、ベルボーイ など、職業を転々とする。1942年、初の長篇を出版。1949年、初の 犯罪小説『取るに足りない殺人』を発表する。『おれの中の殺し屋』 (1952)など、ペイパーバック・オリジナルで作品を次々に発表する。 『現金に体を張れ』『突撃』(スタンリー・キューブリック監督作品) の脚本に参加。1977年没。
翻訳 黒原敏行
1957年、和歌山生まれ。慶應義塾大学文学部・東京大学法学部卒業。コーマック・マッカーシー『ブラッド・メリディアン』『すべての美しい馬』『越境』、ウィリアム・ゴールディング『蠅の王』(以上、早川書房)、ジョゼフ・コンラッド『闇の奥』、オルダス・ハクスリー『すばらしい新世界』、ウィリアム・フォークナー『八月の光』(以上、光文社)など。