テキサスの西、ビッグ・サンド(大きな砂地)の町
原油採掘権をめぐる陰謀と死の連鎖、
未亡人と保安官補のもうひとつの顔――
本邦初訳
解説 野崎六助
「登場人物たちは、行きつ戻りつを繰り返す。……岐路に立って、何とか最善の選択肢を選ぼうとしながら、最悪の結果を呼びこんでしまう。その繰り返しだ。……本作、トム・ロードの物語は、別種のルー・フォード的人物に、別の選択肢(いってみれば、救済のようなイメージか)を与えようと試みた作品なのだ。」(野崎六助 本書解説)
装幀 黒洲零
(2019年3月下旬発売予定)
*好評既刊*
ジム・トンプスン=著 小林宏明=訳
'20年代のテキサスの西端は、 タフな世界だった―― パイプライン工事に流れ込む 放浪者、浮浪者、そして前科者……
解説 滝本誠
ジム・トンプスン=著 高山真由美=訳
アルコール専門療養所の長い一日
”酒浸り(ウェット)”な患者と危険なナース
マーフィーの治療のゆくえは――
解説 霜月蒼
ジム・トンプスン=著 田村義進=訳
悪意渦巻く海辺の町ーー
トンプスン・ノワール、
鮮烈な傑作
解説 中条省平
ジム・トンプスン=著 黒原敏行=訳
殺人容疑者は十五歳の少年
ありきたりの日常に潜む狂気、
スキャンダラスな報道と捜査の行方は―
解説 吉田広明
ジム・トンプスン=著 小林宏明=訳
罠にはまったのはおれだった―
オクラホマの地主と娘、殺人事件の発生、そして先住民の儀式
白人貧農の父子は、憎悪の果てに
解説 福間健二
ジム・トンプスン(Jim Thompson 1906-1977)
1906年、アメリカ・オクラホマ州生まれ。油田労働者、ベルボーイ など、職業を転々とする。1942年、初の長篇を出版。1949年、初の 犯罪小説『取るに足りない殺人』を発表する。『おれの中の殺し屋』 (1952)など、ペイパーバック・オリジナルで作品を次々に発表する。 『現金に体を張れ』『突撃』(スタンリー・キューブリック監督作品) の脚本に参加。1977年没。
翻訳 田村義進
1950 年、大阪生まれ。金沢大学法文学部中退。日本ユニ・エージェンシー翻訳ワークショップ講師。訳書にジム・トンプスン『殺意』(小社刊)、ミック・ヘロン『死んだライオン』(早川書房)、スティーヴン・キング『書くことについて』(小学館)、 ジェイムズ・エルロイ『アメリカン・タブロイド』(文藝春秋)など。