ネブラスカの肥沃な谷と凍てつく川
蝕まれていく日常と、南北戦争の記憶ーー
ノワールの鬼才による幻の長篇
トンプスンが描く、波乱に満ちた一族の物語。ノワールの原点となった作品がついに邦訳!
本邦初訳
解説 諏訪部浩一
「この「普通小説」の世界は、最後にはなぜかわからないが「地獄」になってしまい、そうした世界が次作以降のノワール小説の舞台となる。……「普通小説」という「ゲーム」に「ゆがんだキュー」で挑んだ結果が、『雷鳴に気をつけろ』という「普通」ではない作品だったといってもいい。」(諏訪部浩一 本書解説)
装幀 黒洲零
(2020年9月30日発売)
*好評既刊*
ジム・トンプスン=著 小林宏明=訳
'20年代のテキサスの西端は、 タフな世界だった―― パイプライン工事に流れ込む 放浪者、浮浪者、そして前科者……
解説 滝本誠
ジム・トンプスン=著 高山真由美=訳
アルコール専門療養所の長い一日
”酒浸り(ウェット)”な患者と危険なナース
マーフィーの治療のゆくえは――
解説 霜月蒼
ジム・トンプスン=著 田村義進=訳
悪意渦巻く海辺の町ーー
トンプスン・ノワール、
鮮烈な傑作
解説 中条省平
ジム・トンプスン=著 黒原敏行=訳
殺人容疑者は十五歳の少年
ありきたりの日常に潜む狂気、
スキャンダラスな報道と捜査の行方は―
解説 吉田広明
ジム・トンプスン=著 小林宏明=訳
罠にはまったのはおれだった―
オクラホマの地主と娘、殺人事件の発生、そして先住民の儀式
白人貧農の父子は、憎悪の果てに
解説 福間健二
ジム・トンプスン=著 田村義進=訳
テキサスの西、ビッグ・サンド(大きな砂地)の町
原油採掘権をめぐる陰謀と死の連鎖、
未亡人と保安官補のもうひとつの顔――
解説 野崎六助
ジム・トンプスン=著 土屋晃=訳
豪放な“爺”の人生訓(レッスン)、詐欺師の友人、喧噪のベルボーイ生活――
ノワールの鬼才が若き日々を綴った、抱腹絶倒の自伝的小説
解説 越川芳明
ジム・トンプスン(Jim Thompson 1906-1977)
1906年、アメリカ・オクラホマ州生まれ。油田労働者、ベルボーイ など、職業を転々とする。1942年、初の長篇を出版。1949年、初の犯罪小説『取るに足りない殺人』を発表する。『おれの中の殺し屋』 (1952)など、ペイパーバック・オリジナルで作品を次々に発表する。 『現金に体を張れ』『突撃』(スタンリー・キューブリック監督作品) の脚本に参加。1977年没。
翻訳 真崎義博
デイヴィッド・グーディス『ピアニストを撃て』、ドメニック・スタンズベリー『白い悪魔』、ダニエル・ジャドスン『緊急工作員』、リリー・ライト『虎の宴』、ジュリア・ダール『インヴィジブル・シティ』、デビー・ハウエルズ『誰がわたしを殺したか』、アンデシュ・デ・ラ・モッツ『炎上投稿』、デオン・メイヤー『追跡者たち』、アントニオ・メンデス他『アルゴ』(以上、早川書房)、カルロス・カスタネダ『ドン・ファンの教え』『分離したリアリティ』『イクストランへの旅』(以上、太田出版)、ヘンリー・D・ソロー『森の生活』(宝島社)、ジャック・ケルアック『地下街の人びと』(新潮社)、ウォルター・テヴィス『ハスラー』、アルマ・マルソー『秘められた欲望』 (以上、扶桑社)など訳書多数。