恐慌後のアメリカで、職を転々としながら
出会った風変わりな人々、巻き起こる騒動――
流浪のなかで書き続けた日々を描く自伝的小説
本邦初訳
解説 牧眞司
「文筆家としての一本立ちをめざしている点で、職業小説としての面が強く出ている。……トンプスンは自らの文才を疑うことはない。題材と掲載先さえあれば、誰にも負けないテキストを仕上げてみせる。ほかのことでは失敗つづきだが、文章に対するこの自信は小気味がいい。」牧眞司(本書解説)
装幀 黒洲零
(2021年3月下旬発売)
*好評既刊*
ジム・トンプスン=著 小林宏明=訳
'20年代のテキサスの西端は、 タフな世界だった―― パイプライン工事に流れ込む 放浪者、浮浪者、そして前科者……
解説 滝本誠
ジム・トンプスン=著 高山真由美=訳
アルコール専門療養所の長い一日
”酒浸り(ウェット)”な患者と危険なナース
マーフィーの治療のゆくえは――
解説 霜月蒼
ジム・トンプスン=著 田村義進=訳
悪意渦巻く海辺の町ーー
トンプスン・ノワール、
鮮烈な傑作
解説 中条省平
ジム・トンプスン=著 黒原敏行=訳
殺人容疑者は十五歳の少年
ありきたりの日常に潜む狂気、
スキャンダラスな報道と捜査の行方は―
解説 吉田広明
ジム・トンプスン=著 小林宏明=訳
罠にはまったのはおれだった―
オクラホマの地主と娘、殺人事件の発生、そして先住民の儀式
白人貧農の父子は、憎悪の果てに
解説 福間健二
ジム・トンプスン=著 田村義進=訳
テキサスの西、ビッグ・サンド(大きな砂地)の町
原油採掘権をめぐる陰謀と死の連鎖、
未亡人と保安官補のもうひとつの顔――
解説 野崎六助
ジム・トンプスン=著 土屋晃=訳
豪放な“爺”の人生訓(レッスン)、詐欺師の友人、喧噪のベルボーイ生活――
ノワールの鬼才が若き日々を綴った、抱腹絶倒の自伝的小説
解説 越川芳明
ジム・トンプスン=著 真崎義博=訳
ネブラスカの肥沃な谷と凍てつく川
蝕まれていく日常と、南北戦争の記憶ーー
ノワールの鬼才による幻の長篇
解説 諏訪部浩一
ジム・トンプスン(Jim Thompson 1906-1977)
1906年、アメリカ・オクラホマ州生まれ。油田労働者、ベルボーイ など、職業を転々とする。1942年、初の長篇を出版。1949年、初の犯罪小説『取るに足りない殺人』を発表する。『おれの中の殺し屋』 (1952)など、ペイパーバック・オリジナルで作品を次々に発表する。 『現金に体を張れ』『突撃』(スタンリー・キューブリック監督作品) の脚本に参加。1977年没。
翻訳 土屋晃
東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒。訳書に、スティーヴン・キング『ジョイランド』、ジェフリー・ディーヴァー『オクトーバー・リスト』(ともに文春文庫)、テッド・ルイス『ゲット・カーター』(扶桑社文庫)、エリック・ガルシア『レポメン』(新潮文庫)、ジム・トンプスン『バッドボーイ』(小社刊)など。