ヒューストンに流れ着いた賭博師(ギャンブラー)
迫りくる破綻、赤毛の娘への愛
ダイスが転がる永遠の一秒――
本邦初訳
解説 三橋曉
「現在を生きようとする主人公にとって、善と悪といった相反する価値観の折り合いをつけることは必然のものなのだろう。犯罪と紙一重の阿漕な生業を営みつつも、自分の在り方には確固たる誇りを持っている主人公の姿勢は、それを物語っている。」三橋曉(本書解説)
装幀 黒洲零
(2022年6月下旬発売)
*好評既刊*
ジム・トンプスン=著 小林宏明=訳
'20年代のテキサスの西端は、 タフな世界だった―― パイプライン工事に流れ込む 放浪者、浮浪者、そして前科者……
解説 滝本誠
ジム・トンプスン=著 高山真由美=訳
アルコール専門療養所の長い一日
”酒浸り(ウェット)”な患者と危険なナース
マーフィーの治療のゆくえは――
解説 霜月蒼
ジム・トンプスン=著 田村義進=訳
悪意渦巻く海辺の町ーー
トンプスン・ノワール、
鮮烈な傑作
解説 中条省平
ジム・トンプスン=著 黒原敏行=訳
殺人容疑者は十五歳の少年
ありきたりの日常に潜む狂気、
スキャンダラスな報道と捜査の行方は―
解説 吉田広明
ジム・トンプスン=著 小林宏明=訳
罠にはまったのはおれだった―
オクラホマの地主と娘、殺人事件の発生、そして先住民の儀式
白人貧農の父子は、憎悪の果てに
解説 福間健二
ジム・トンプスン=著 田村義進=訳
テキサスの西、ビッグ・サンド(大きな砂地)の町
原油採掘権をめぐる陰謀と死の連鎖、
未亡人と保安官補のもうひとつの顔――
解説 野崎六助
ジム・トンプスン=著 土屋晃=訳
豪放な“爺”の人生訓(レッスン)、詐欺師の友人、喧噪のベルボーイ生活――
ノワールの鬼才が若き日々を綴った、抱腹絶倒の自伝的小説
解説 越川芳明
ジム・トンプスン=著 真崎義博=訳
ネブラスカの肥沃な谷と凍てつく川
蝕まれていく日常と、南北戦争の記憶ーー
ノワールの鬼才による幻の長篇
解説 諏訪部浩一
恐慌後のアメリカで、職を転々としながら出会った
風変わりな人々、巻き起こる騒動――
流浪のなかで書き続けた日々を描く自伝的小説
解説 牧眞司
ジム・トンプスン(Jim Thompson 1906-1977)
1906年、アメリカ・オクラホマ州生まれ。油田労働者、ベルボーイ など、職業を転々とする。1942年、初の長篇を出版。1949年、初の犯罪小説『取るに足りない殺人』を発表する。『おれの中の殺し屋』 (1952)など、ペイパーバック・オリジナルで作品を次々に発表する。 『現金に体を張れ』『突撃』(スタンリー・キューブリック監督作品) の脚本に参加。1977年没。
翻訳 田村義進
1950 年、大阪生まれ。金沢大学法文学部中退。日本ユニ・エージェンシー翻訳ワークショップ講師。訳書にジム・トンプスン『殺意』『脱落者』(小社刊)、アガサ・クリスティー『メソポタミヤの殺人』、アビール・ムカジー『阿片窟の死』(早川書房)、スティーヴン・キング『書くことについて』(小学館)など。