金買付人(ゴールド・バイヤー)は実入りのいい仕事だった
しゃべる犬のいる家を訪れるまでは――
目の前の死体、謎の美女、騒動と遁走
本邦初訳
解説 酉島伝法
「自分には生まれつき第六感のようなものがあるとトディは信じていて、それをギズモと呼んでいる……他の登場人物たちもいつにもまして正体が知れず、敵なのか味方なのかも揺らぎ続け、矛盾する出来事の数々に、超常的な現象でも起きているのではないかとさえ思う。」酉島伝法(本書解説)
装幀 黒洲零
(2023年8月下旬発売)
*好評既刊*
ジム・トンプスン=著 小林宏明=訳
'20年代のテキサスの西端は、 タフな世界だった―― パイプライン工事に流れ込む 放浪者、浮浪者、そして前科者……
解説 滝本誠
ジム・トンプスン=著 高山真由美=訳
アルコール専門療養所の長い一日
”酒浸り(ウェット)”な患者と危険なナース
マーフィーの治療のゆくえは――
解説 霜月蒼
ジム・トンプスン=著 田村義進=訳
悪意渦巻く海辺の町ーー
トンプスン・ノワール、
鮮烈な傑作
解説 中条省平
ジム・トンプスン=著 黒原敏行=訳
殺人容疑者は十五歳の少年
ありきたりの日常に潜む狂気、
スキャンダラスな報道と捜査の行方は―
解説 吉田広明
ジム・トンプスン=著 小林宏明=訳
罠にはまったのはおれだった―
オクラホマの地主と娘、殺人事件の発生、そして先住民の儀式
白人貧農の父子は、憎悪の果てに
解説 福間健二
ジム・トンプスン=著 田村義進=訳
テキサスの西、ビッグ・サンド(大きな砂地)の町
原油採掘権をめぐる陰謀と死の連鎖、
未亡人と保安官補のもうひとつの顔――
解説 野崎六助
ジム・トンプスン=著 土屋晃=訳
豪放な“爺”の人生訓(レッスン)、詐欺師の友人、喧噪のベルボーイ生活――
ノワールの鬼才が若き日々を綴った、抱腹絶倒の自伝的小説
解説 越川芳明
ジム・トンプスン=著 真崎義博=訳
ネブラスカの肥沃な谷と凍てつく川
蝕まれていく日常と、南北戦争の記憶ーー
ノワールの鬼才による幻の長篇
解説 諏訪部浩一
恐慌後のアメリカで、職を転々としながら出会った
風変わりな人々、巻き起こる騒動――
流浪のなかで書き続けた日々を描く自伝的小説
解説 牧眞司
ヒューストンに流れ着いた賭博師(ギャンブラー)
迫りくる破綻、赤毛の娘への愛
ダイスが転がる永遠の一秒――
解説 三橋曉
ドアは刑務所(サンドストーン)に通じていた――
謎の身元引受人、やがて起こる事件
仮釈放中の窮地に出口はあるのか
解説 大場正明
ジム・トンプスン(Jim Thompson 1906-1977)
1906年、アメリカ・オクラホマ州生まれ。油田労働者、ベルボーイ など、職業を転々とする。1942年、初の長篇を出版。1949年、初の犯罪小説『取るに足りない殺人』を発表する。『おれの中の殺し屋』 (1952)など、ペイパーバック・オリジナルで作品を次々に発表する。 『現金に体を張れ』『突撃』(スタンリー・キューブリック監督作品) の脚本に参加。1977年没。
翻訳 森田義信
1959年、福岡県生まれ。上智大学外国語学部卒業。主な訳書はニック・ホーンビィ『ハイ・フィデリティ』 『ぼくのプレミア・ライフ』『アバウト・ア・ボーイ』『いい人になる方法』、ロン・マクラーティ『ぼくとペダルと始まりの旅』(『奇跡の自転車』改題)、『ピート・タウンゼント自伝 フー・アイ・アム』、ジーン・シモンズ『才能のあるヤツはなぜ27歳で死んでしまうのか?』など。